方正株式会社

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週次4万件、トラック数百台の家電製品ロジ計画を最適化

18.06.29

 
 

AI研究開発事例紹介(武漢特派員レポートその2)
 
 

家電製品の物流最適化プロジェクト

 

方正株式会社 武漢特派員:岡田優士

 

プロジェクトの背景

大手家電メーカーの物流部門では、毎週約4万件の注文に応じ、各工場から中国全土にある物流倉庫への製品配送を管理しています。
注文内容・製品に応じたトラックの手配、配送ルート選択などの輸送計画は、担当する部門内のメンバーの経験値に基づくアナログ計画であり、担当一人当たりが数十から百台のトラックの集荷・配送計画を策定していました。そのため週次計画を完成するのに6日間かかり、大きな業務上の負担でした。
さらに、全体のうち4割は納期通りに納品できないという物流管理部門の大きな課題も持っていました。

 

プロジェクトの目標

中国武漢のAI R&Dセンターでは、それら課題解決のため依頼を受け、物流最適化のための数理モデル開発に着手しました。
より多くの製品を納期通りに配送する、輸送回数(トラック使用台数)の削減をする、輸送計画者の作業軽減などがこのプロジェクトの目標となりました。

 
大学研究室との協力

AIの研究開発センターのある中国湖北省武漢市は80校以上の大学があり、100万人以上の大学生を有する中国でもトップクラスの学術都市です。その中でも特に優秀な武漢大学の数学統計学部の3つの研究室と協力し、今回のプロジェクトを進めることができました。

 
使用した数理モデル
数理モデルとは、様々な物理現象や社会現象などを数式で表したものです。
今回使用したモデルは最近流行りのディープラーニングのモデルではないが、線形計画法による数理モデルを利用し、機械学習を行いました。
線形計画法とは、n次元ベクトル空間において、いくつかの線型関数の等式と不等式で表された制約条件の下で、線型関数である目的関数を最大化(もしくは-1をかけて最小化)にするベクトルを求めるための手法です。線形計画法は、第二次世界大戦中に燃料や爆弾等を最適に輸送するために考案された手法であり、今回のような物流の最適化問題を解くのには有効です。
今回は、目的関数として配送の遅延を最小にする関数と使用するトラックの台数を最小にする関数を定義し、制約条件として発送の優先度やデッドライン、トラックの容積や積載量、商品の生産数や在庫状況、工場と倉庫の関係など多数の要素を考慮し関数を定義しました。
線形計画法による最適解の算出後、アウトプットとして、いつ、どのトラックで、どこからどこへ、どの商品を何個運ぶかという物流配送計画を出力しました。

 
工場と倉庫の関係図

 

プロジェクト成果
実は今回の顧客(大手家電メーカー)では、同じ課題解決のためにほぼ同時期に数理モデルの開発をしており、各8台のCPUを搭載した20台のサーバーで2時間かけて演算処理をするものでした。私たちの数理モデルでは、顧客の数理モデルで得られる結果とほぼ同じ結果を1台のCPUで30分の演算で実現するものでした。しかも2か月間という短期間で高いパフォーマンスを実現できたことは成功だと自負しております。
この数理モデルにより、工場生産に延期がないという前提であれば、週次4万件の注文書のうち9割が納期通りに配送でき、週次の輸送計画の策定作業も3日間でできるという結果が得られ、顧客側が満足する結果となりました。

岡田優士 略歴
2016年 名古屋大学多元数理科学研究科修士課程修了。大手メーカーに勤務後、方正に入社。学生時代に北京大学留学経験もあり、入社直後に武漢子会社に赴任。現在日本向けAIの研究開発チームに所属。
 
 
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