方正株式会社では、【客ココ便利くん】https://www.founder.co.jp/sfaという求人広告代理店様向けのサービスを展開している。
その客ココ便利くんを用いて、フロムエー、マイナビ、タウンワーク・バイトルに掲載されている求人数を算出した。
(3/30を100%とする)
全体求人掲載数はここ数週間継続して回復傾向にある。もっとも足取りの遅いフロムエーでも6週間、タウンワークで8週間、マイナビに至っては10週に渡り緩やかな上昇がみられる。グラフ上は3月30日時点の求人掲載数を100と見立てているため分かりづらいが、各サイトのボトムからみると、フロムエー:18.8%・タウンワーク:19.5%・マイナビ:32.8%も上昇している。7月に入ってからの感染者数の上昇の影響がどれほどあるのか、注意深く見守っていく必要がありそうだ。
(3/30を100%とする)
給与区分別についても数週間のトレンドに大きな変化はない。唯一の変化は「月給」募集件数が増加に転じたことだ。時給については8週前から増加に転じ、この間の増加率は18.6%、日給の掲載件数自体は時給よりもずっと少ないが回復ペースは早く9週間前から40.9%も改善している。月給については、約3カ月間にも及ぶ低落傾向から一転12.5%の増加傾向となった。ただし、1週だけではトレンドの変化として捉えるには弱過ぎるだろう。
次週については月給区分の動きが一番の注目といえそうだ。
(各グラフ5/4比)上記はサイト別に募集職種をグラフ化したものです。
サイトによってばらつきが相当あるため、職種別の明確な傾向を述べるのは難しそうだ。特定の業種であるサービスでの求人掲載数が戻り傾向にあるが他サービスではそうでもないというのは、求人を出す側のサービスに対する選別度合が高まったということなのかもしれない。株価はV字回復したが、U字回復といわれている企業業績は未だUの下の線を辿っており、そう簡単には回復できないはずだ。そのため景気に対する遅行指数である求人数の回復時期は完全に見通せない状態になっている。今、大きく求人件数を伸ばしているのは、いずれも4月~5月に完全休業したような業種
―アミューズメント等、キャバクラ等、ファッション・アパレル等- のように見える。ここは求人が回復しているというよりは、事業再開に際して、業務を回すためにどうしても必要な最小限の雇用を始めただけであり、純粋な意味で雇用数を増やそうとしているわけではないだろう。
緩やかに回復を始めた求人掲載数だが、これから3月以前の状態に戻す業種業態とこの状態が維持される業種業態とに徐々に分化していくのか、求人掲載数のニューノーマル時代は未だ見通せない。
方正株式会社 津村
2020.07.20
資料作成にあたり参照したHPは以下の通りです。
タウンワーク https://townwork.net
フロムエー https://www.froma.com/
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