方正株式会社

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【対談】日本と中国、Withコロナの今と
これからのトランスフォーメーション 第3回(最終回)

20.12.18

#DX #対談

日本と中国を知る「日中異文化経営コンサルタント 金 鋭氏」×「方正株式会社 代表取締役社長 管 祥紅」ふたりの視点から「DX時代に、企業に求められているもの」について語っていただきました。
ふたりとも日本と中国を行き来しており、コロナ禍での自主隔離も経験しています。金氏はリクルートOB、管はリクルート社の仕事に携わっておりました。さらに、1967年生まれの同い年という共通点があります。ふたりの知見と、コロナ禍での経験から日本・中国の状況、そしてDXについて語っていただきます(全3回)。
 
目次

 

 

 

企業でDXを成功させるには

金:デジタルを使って経営効率化やコスト削減、会社の変革を行う時に何を使ってどうやるのが一番うまくいくか?技術的にプログラミングしたり設計したりする人はたくさんいると思います。今日管さんとお話したかったのは、時代の流れもあり経営者は経営者でデジタル化推進だ、どう変革するのか?と絶えず考えていますよね。その経営者の思考をソフトや技術を使ってどうデザインするか、どうすれば一番うまくいくのか?というところを考える人が少ないのではないか?という事なんです。
経営者は日々経営のことを考えていますから、ここがデジタルでここは一部アナログでと。ビッグデータ化してAI化した方がいいのではと考え試行錯誤していますよね。作る能力がある人はいるが、何から手をつけどうデザインすればいいのか?と悩んでいますよね。会社の組織と業務、効率と生産性。社員のモチベーションをどう活用しどう組み合わせれば効率的に経営できるのか、会社の業績も上がって、経営者もハッピー、従業員もハッピーになるのか。社員を活かすデザインを描ける人が今後必要になってくると思います。

管:そこがすごくポイントで、DX以前のトランスフォーメーション(=ビジョンと実行)を行う、ということですね。まさにそのとおり。ネット企業がそれに成功していて、テスラは時価総額トヨタの二倍以上です。これも車のトランスフォーメーション、最先端技術をもって「車はこうあるべきだ」とビジョンを立てたカリスマ的経営者のなせる業ですね。これがデジタル社会において「あるべき時代に適合したビジョン」を持った会社が進化した結果ですね。経営者が変わっていかなければいけない。ビジョン実行を伴わない経営者が最終判断を決定し続けていたのが、デジタル化を遅らせた原因ですね。

金:ビジョンはとても重要ですね。目的を含め経営の存在意義や方向が明確で、そのためにどこをデジタル化してどこをアナログにしておけばいいのか。試行錯誤しながらやってみないとわからないこともありますが、そういうことですね。

管:デジタル経営とリアルタイム経営、という話を良くしています。経営判断をリアルタイムにする。シンプルな経営者でなければいけない。効率が悪いままで実質経営していない、というのは駄目なんです。

金:経営経験の中で様々な業務がありましたが人間関係で時間を取られることが多いと感じることがよくありました。経営者としては必然ではありますが欲しいデータの作成や会議に時間をとられることも多かったです。
友人の総経理(CEO)が、アリババの釘釘(ディンディン)を使ってみて発見があったそうです。それまでやっていた仕事が一気にデジタル化したと。出退勤、出張申請、契約書管理、はんこやFAXでしていたものがデジタル化されました。総経理からの通達も未読既読があり全ての過程に置いて一気に業務改善が進んだと。彼も「なんでもっと早くやらなかったか」と言っていました。顔認証でセキュリティも変わったと言っていました、これがDXですね。

 

 

対談する管と金氏

 

 

管:まさにそうです。もう一つの側面で、そもそもどうトランスフォームするかですね。中国は釘釘(ディンディン)もあるしWeChatもあるからケイパビリティが高い。便利でより良いものが競争で作られていきますね。

金:飲食関係のお客様から話を聞くことがあり「デリバリーの会社が勝手に競争してくれるので、飲食店側にメリットがある」と言っていました。機能がどんどん良くなって便利になっていくので、我々としてはありがたいということでした。

管:層が厚くなって競争してくれると選択肢が増えて、サービスも安価になるという点が中国のトランスフォーメーションを支えているのですね。既存のものを合わせて使う、よほどのことがない限り、それが賢い選択肢ですね。

金:使う側の経営側で見るとそうですよね。裏側から考えると、コストの競争レベルの問題もありますね。

管:北京の大手企業の社長と会食しましたが、その場で質問し、考え、方向性を出すんですよね。部下の話も、ものすごく謙虚に聞いています。

金:よく言われる話ではありますが中国の経営者はスピード感がちがう。日本企業や日本の方々はそれを拙速に感じることもあると。

管:ミスの損害よりも早くやったメリットが高い、後から是正すればいいのですから。とはいえ、どこまで任せるかなど、難しい問題はありますね。

金:中国から見た日本企業は慎重ですが、決まるまでにスピードがかかると思われている感じはありますね。

管:それぞれいいところがありますからね。コンセンサスを得て会社づくりに努めてゆくべきだと思います。

金:それぞれいいところを活かしながらですが価値観や先入観のパラダイムシフトが重要だと思いますね。

管:先進国に人間が集まってくるので、そのアドバンテージを生かして人材を誘致したほうが良いと思います。日本はデジタル化については正直後進国になってしまったのではないかと思っています。世界のトップ10のうち7,8社がデジタル会社ですが、このような状況の中に日本の会社が無いですよね。中国に来ている日系の企業はどうですか?

金:状況の変化もあり一時期減ったり撤退したりはありました。今は世界の工場→世界の市場→世界のイノベーションセンターになりつつありますね。競合が変わって競争が激しくなり、「日本から来ている」というメリットもありますが、人件費の高騰もあり工場をASEANにという会社もありますね。各業界それぞれで相当厳しい戦いを強いられているようです。昔はライバルがいなかったような業界にもどんどん企業が出てきている。中国メーカーの電化製品も品質が良くなってきたので、価格面でも競争が厳しいようです。
日本は技術力が高く品質やサービスもとてもいいですね。中国でも求められていると思います。一方考え方や価値観の違いに苦しむ部分もありますね。コロナでの対応にしても個人情報の話もありますし、対応の方法は違いますね。健康コードなんかもそうですが中国はあれがないとビルに入れない地下鉄に乗れない、病院に行けないなので使わざるを得ないのです。走りながら考えるというのが、中国の考えにありますね。様々な見方がありますが武漢は病院を10日で作りましたね。さすがのスピードというか…

管:トヨタとテスラで車のクオリティという意味で行くと、レクサスは素晴らしい。営業だとか、品性、サービスの良さ。しかし、「ソフトウェアがものを決める」がいろいろな業界で浸透しつつあります。テスラはオンラインでバージョンアップできるとか、発想が違っています。車はもはや移動しているコンピュータなんですね。
日本の高い技術力と中国の柔軟さの良いとこ取りをして組織をデザインしてゆきたいところですね。
私たちが目指す企業のDXとは、経営者は当然、社員の各々も日々変革していくこと、マインドセットの更新とリアルタイム経営を意識して推進していくことがポイントになりそうですね。

 

対談を終えた管と金氏

 

 

※この対談は、2020年11月7日に行ったものです。

 

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