Adobe(R)PostScript3とPDF1.7に準拠したインタープリタを1つのRIPコアに搭載し、ポストスクリプトファイルとepsファイル、PDFファイルは1.3~1.7、PDF/Xは1a~4へネイティブにシームレスにRIP処理します。また、解像度はフリーとなっており、上限20,000dpiをマニュアル解除すればそれ以上のどのような解像度でもPCの能力次第でRIP処理ができますので、例えばフォトマスクフィルムなどに使用する高解像度の1bitTIFFファイルを手にできます。
CMYKやRGB、特色や透明、オーバープリント、インデックスカラーやグレイなどすべてのカラーに対応し、透明やオーバープリントなどが複雑に絡んだポスターなどのデザインデータであっても規則に従って色分解処理を行い色分版した1bit/8bitのTIFFファイルへ出力保存し、またコンポジットファイルへも保存します。
EagleRIPはオフセット印刷に合わせた機能を搭載し長く使われてきましたが、バージョン5になってフレキソ専用の機能(網点・特殊処理・カーブ設定・殖版やギャンギング機能強化、版を検査するアプリケーション「RealDot Viewer」のバンドルなど)を新しく追加搭載しました。網点につきましては、従来から装備する標準的な9種類とグラビア印刷向けや高精度網点に加えて、新たにフレキソ印刷専用の網点と網点に特殊な修飾をかける機能および低解像度1200dpiに対応する200線の高線数網点を主に新聞印刷向けに追加しています。
開発元ホームページ(英語)では、ユーザーガイドや各種ツール類、インストーラなどのダウンロードができます。ただし、日本向けはインストーラと異なることがありますので、また「バージョン4.5」を含む以前の製品をお持ちの場合はバージョンアップが有料となりますのでお問い合わせください。さらに、「バージョン4.5」を含む以前の製品とはプログラム設定ファイルなどに互換性はなく再インストールが必要(共存できません)ですので、ご注意ください。
■動作環境
1)オペレーションシステム:
・Windows7/8/10、2008/2012 R2server、32/64ビット(プロフェッショナル版を推奨)
・メニュー表示の言語:使用中に随時切り替え可能
(英語、簡体中文、繁体中文、ドイツ語、スペイン語、韓国語、日本語)
2)コピープロテクト用「ドングル」:
USBポートにドングルの装着が必要で導入環境を多々制限してきましたがバージョン5で廃止し、インターネットを通じた「クラウドライセンス認証方式」(インターネット常時接続不要・180日間オフライン運用可能・緊急対応など)に変わりました。ノートパソコン~サーバー上の運用からクラウド環境上の運用へも、運用の範囲が広がります。
■ワークフロー
直感的で単純な直ぐに慣れながら細かく設定ができるインターフェースを、操作画面に備えています。また、ワークフローシステムに縛られず、他のアプリケーションと組み合わせた PC~サーバーの中で運用(手動/自動)もスムーズです。
■機能
○下記形式の「入力ファイル」を処理:
・PostScript3(ポストスクリプト/全てのバージョン)
・EPS(全てのバージョン)
・PDF1.7(全てのバージョン):透明・ICC・128ビット暗号・JPEG2000などに対応
・PDF/X(全てのバージョン)
・TIFF(1bit、8bit)
・JPEG(全ての種類)
・prn(プリンタファイル)
〇RIPの基本機能:
・解像度:20,000dpi(上限変更可能)
・最大出力サイズ:2.0×2.0m(上限変更可能)
〇入力ファイルを色分解/色分版:
・CMYK、RGB、グレイ、白黒、CMYK+特色
・分解色版にデータがないときの白紙出力防止機能など
・オーバープリント/ノックアウト/OPMなどの設定
・キャリブレーションと分解、ドットゲインカーブの設定
・ゾーンスクリーン設定したファイルへ対応
・ICCプロファイル設定とCIP3(PPFファイル出力)の設定
〇ホットフォルダ「入力自動RIP処理」機能:
・RIP条件を付加させた監視フォルダを作成し入ってきたファイルを自動処理
・RIP後の入力ファイルを成功フォルダやエラーフォルダへ振り分け
・RIPし出力したTIFFファイルを指定フォルダへ保存
・処理の記録機能(ログ表示と保存)
○下記の「出力ファイル形式」で指定したフォルダへ保存:
・1ビットTIFF(色分版)
・8ビットTIFF(色分版とコンポジット)
・無圧縮・Packbits・LZW、G4(1ビット)
・アンチエイリアス(8bit)
・保存ファイル名のカスタム化(CMYKと特色)
〇TIFFワークフロー機能:
・Tifflow Pluginを使いBrainnewのワークフローへ対応
〇RIP内殖版やギャンギング機能:
・中間ファイルの段階で指示通りの殖版やギャンギング(詰込み配置)
・手動と自動の処理機能(ver.5.1で機能強化)
〇「RealDot Viewer 1.2(英語版)」:バンドルしたアプリケーション(EagleRIPを運用するPC内で起動)
・網点分解された版を検査
・分版モード(CMYK+特色)で表示、分色版を重ねて表示
・網点%、距離の測定、版の差分比較
〇in-RIPプレビュー(RIP内機能):
・中間ファイルや出力したジョブのプレビュー
・分版モード(CMYK+特色)で表示・分色版を重ねて表示・網点とピクセルの表示など
○WinPrint機能を使ってネットワーク上のプリンタへ直接出力:
・RIPした画像をそのままプリント
・プリンタに付属する設定画面をそのまま使用
〇網点(スクリーニング)
・従来からバンドルしていた標準9種類
・グラビア印刷スクリーン3種類
・高精度網点スクリーンオフセット印刷:FM/AMハイブリッド型スクリーン、第二世代FMスクリーン、高線数型AMスクリーンと正円スクリーン、解像度1200dpi対応200線AMスクリーン(新聞印刷など)
・高精度網点スクリーンフレキソ印刷(ver.5で強化):標準正円スクリーン、大中小ドットでグラデーションを構成した正円スクリーン、ミラクルセル修飾処理(シャドウ側にマイクロドットを入れる機能)